MFT#017 チランジア イオナンタ

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なんのことはないイオナンタ。スピーシーズナーセリー(通称スピナリ)産。

 

チランジアはいわゆるエアープランツと呼ばれる植物で、最近インテリアプランツとして世に広く知られるようになったように思う。僕は確か5〜6年前になんとなくその名前を知り、何度か購入するも、全く育て方の勝手がわかっておらずその度に枯らせてきた。特に、今の家に引っ越すまでは、室内で十分な太陽光を確保できる場所がなく、どこに置いてもただ枯れていくのを見ていることしかできなかった。

日当たりと採光に重点を置いて選んだ今の家は、窓辺で遮光数10%下くらいの明るさがあるので、植物がちゃんと育ってくれる。それが嬉しくてどんどん部屋に植物が増えている。

 

5〜6年前にはエアープランツの認識は、「空気中の水分から水を取るため水やりのいらない植物」というものだったように思う。かなり乱暴だなと今は思う。そこから脱してきちんと育てるに当たって最低限の知識を得るために栽培書も何冊か買ったし、栽培している人のSNSやサイトも多く回った。それを持って臨んだ今年以降でもいくつかの購入株は枯らせてしまったし、世に言われる手のかからない植物というイメージはあまり適当でないと思う。

そんな失敗を重ねる中で、初めて僕の手元でエアープランツの花を咲かせることができた。それがこのイオナンタ。ちなみにこれで満開。チランジアはあまり花びらが開かない花を咲かせるものが多い。

 

イオナンタ(Tillandsia ionantha)はチランジアの中でも非常に人気の高いグループで、密に詰まった葉やコロンとした可愛い草姿、大きくて何処か品のある花を咲かせるが特徴だ。

僕は「密に詰まった小さなもの」が好きなので、イオナンタのグループはドストライクである。このグループの沼はかなり深く、最近ヤフオクに出ていたハワイのとある品種は一株数万の値がついていた。僕はまだそこまで踏み込む自信はないので、二子玉川のプロトリーフで比較的安価に売られていた基本種、フエゴ、ルブラの3品種だけ持っている。

基本種のイオナンタは品種化されているものに比べると開花時の紅葉は穏やかで、桃色〜朱色と言った様相だが、その柔らかな紅葉は十分に魅力を備えている。葉が色づき始め、日に日に染まっていき、ついには蕾が伸び始め花が咲く。その一連の流れをじっくり楽しむことができたのはひとえに在宅勤務のおかげである。

 

イオナンタに関しては、開花後に子株を脇から出し、複数株の群生(クランプと呼ばれる)となり、その迫力も魅力の一つ。花が終わってこれから子株が出るのを楽しみにしながら、日々霧吹きに勤しもうと思う。